2020年度の助成対象活動をご紹介します
第1回東急子ども応援プログラムとして、2020年7月に10団体へ総額844万円の助成を実施しました。
新型コロナウイルス感染症の影響により応募時の計画通り進められないこともありましたが、活動目的はそのままに、手法や時期を変更するなど工夫いただき、すべての活動が無事に終了いたしました。
皆さまの一年間の活動をご紹介した「完了報告書」を発行いたしましたので、ぜひご覧ください。
第1回東急子ども応援プログラムとして、2020年7月に10団体へ総額844万円の助成を実施しました。
新型コロナウイルス感染症の影響により応募時の計画通り進められないこともありましたが、活動目的はそのままに、手法や時期を変更するなど工夫いただき、すべての活動が無事に終了いたしました。
皆さまの一年間の活動をご紹介した「完了報告書」を発行いたしましたので、ぜひご覧ください。
都筑区は農家の数が横浜18区の中で1位であり、小松菜などの野菜は全国シェアの上位ですが、高齢化や後継者不足が課題となりつつあります。今回のプロジェクトでは、遊休農地を活用した「都筑こども小麦部」を設立し、地域の子どもたちとの畑作業から、商品開発までを目指します。
本団体は6年前からコミュニティーカフェをオープンし、そこで扱う野菜やお菓子、パンなどについては、福祉施設と連携して商品開発や販売を行ってきました。精神障がい者が畑作業をしながら社会とつながる「都筑ハーベストの会」は無農薬の小麦を栽培・販売してきましたが、そこでの販売の限界に対応するため、本団体が「ヨコハマ小麦部」を立ち上げ商品開発を行ってきました。
本企画は「都筑こども小麦部」を創設して子どもたちを公募した後、畑作業の体験イベント、畑の収穫物を使った料理教室、小麦の勉強をする「小麦の学校」講座、商品開発会議、広報戦略会議の活動を通して、子どもが障がい者も含めた多様な大人と触れ合う豊かな体験ができる場の提供を目的としています。
活動は子どもが地域社会に参画する主体性を喚起することを意図したものであり、子どもに直接に働きかける点が評価できます。また、精神障がい者の無農薬栽培の畑とつながる「こども小麦部」を組織して、商品開発までも意図しているチャレンジングな企画もユニークです。
寿町は、神奈川県横浜市中区にあります。本プロジェクトは、寿町で2019年にオープンした横浜市寿町健康福祉交流センターを会場に、各種団体と連携しながら地域の子どもたちに向けて音楽・アート制作・ダンスなどの芸術と、テーマにちなんだ手作り料理の機会をつくります。
本プロジェクトでは横浜市中区寿町をその舞台とし、この地域の子どもたちに、安心して芸術と食を楽しめる居場所を提供するものです。
本プロジェクトの独自性は、「子どもたちに人生の豊かさと広がりを感じてもらい、自分らしく生きることの意味を考え、未来への希望をもって羽ばたいてほしい」という願いの下で、貧困世帯への支援として食事の提供や学習支援の活動を行いつつ、併せて芸術の経験機会も提供するところにあります。貧困問題に対して芸術活動の支援は後回しにされがちですが、子どもたちの豊かな成長にとって大事な支援であると思われます。
新型コロナウイルスによって大きな困難に直面していると想定される、地域に根差した活動であり、本助成プログラムの対象にふさわしいと思います。活動は具体的で多彩であり、連携・協力関係もできていることも評価できます。活動の成果を期待します。
本プロジェクトは、世田谷区尾山台の商店街において、地域全体を学びの場と見立て、地域を舞台にした部活動「おやまち部」を設立。子どもたちが主体的にまちと関わりを持てるよう、まちでやりたいことを見つけ、子ども自らが記者となる新聞の発行、多世代ワークショップなどを行います。
本団体は「商店街の活性化」「学校の地域開放」といういわゆる既存の課題解決のモデル的な取り組み、という枠さえも飛び抜けるくらい、立ち上げ当初からユニークな活動を投げ掛けていると感じます。
本プロジェクトは、これまでの活動実績を基に、官民産学協働で尾山台地域への愛着をより強め、そこに生きる子どもたちの自主性、主体性の発揮を願う団体側の思いが企画書に溢れていました。特に、子どもたちが「例えその提案が実現できなかったとしても、それを考えるプロセス自体が学びであり重要なことであると考えている」という団体の意図は、「子どもの自己肯定感、自己有用感を高めるためのまちを舞台に」したコンセプトに一貫する大変、共感できるものでした。
子どもたちが放課後、地域や在宅で過ごす時間の保障と充実、中学生以降の地域でのつながりの機会の創出など課題意識が明確であり、その課題を部活動創設、ワークショップ、新聞の発行、歩行者天国活動のにぎわいづくりという4つの具体的なアクションが提示されています。また、こうしたアクションの布石、下準備がこれまでの活動でしっかりと積み上げられています。これらの3つの視点から、学区を超えた地域でのつながりの実現に向けて、子どもたちが描く未来のまちづくりのさらなるステージアップを期待したいと思います。
本プロジェクトは、団体が運営する「子どもシェルターてんぽ」の利用者と「自立援助ホームみずきの家」の利用者に対して、気分転換や自己肯定感の向上につながる外出やレクリエーションの個別外出や行事、旅行などを行うことで、退所後の生活がより豊かになるような体験を支援します。
本団体は、虐待などにより行き場のない子どもの緊急一時避難や、共同生活の場を提供することを通して自立を支援する活動を行ってきましたが、シェルターは「保護すること」、自立援助ホームは「衣食住の保障」に重きが置かれていました。今回のプロジェクトは、同団体が運営しているシェルターと自立支援ホーム利用者に対して、外出やレクリエーション・旅行の機会を提供し、利用者の生活経験を豊かにするものです。
シェルターや自立援助ホームにつながる子どもたちは、虐待をはじめ、さまざまな厳しい生活を経験しています。こうした子どもたちへの支援は、緊急的な保護と衣食住、そして自立のための学習や就職の機会を提供することが優先され、子どもの生活と育ちを豊かにするために必要である遊びやレクリエーションの提供は二の次とされてきました。第一種児童福祉施設である児童養護施設にあっても支援の質が問われている現状にあって、子どもたちのニーズが見えづらいシェルターや、自立援助ホームの子どもたちに対する本プロジェクトは、社会的にも重要な企画であり、今後の社会的養護の支援の向上にもつながるものと考えます。
本プロジェクトは、小学校・中学校へ一流の演奏家によるクラシック音楽を届ける取り組みです。これまでの活動の範囲をさらに広げて、学校や演奏家と調整し、5回程度の演奏会を予定しています。
この団体は、芸術に親しみながら「感じる・感じ取る」という豊かな感性を育てることを目的に、公立小中学校に音楽家が出向き、生演奏を通じた一生にわたる子どもたちの心の財産を形成する活動を続けています。
本プロジェクトでは、活動範囲をさらに広げ、より多くの子どもたちに演奏を通じた躍動感と機械からでは感じることのできない感動を与えるだけでなく、子どもたちからも感じたことなどを言葉として引き出しながらその実感を高めていこうとしています。
また、子どもたちの興味を引くための曲ではなく、演奏家自身が子どもたちに聴いてほしい曲を演奏しますが、演奏家の演奏力を通じた迫力や感動を公立小中学校にいる子どもたちに届けることは、心豊かな生活環境をつくるこのプログラムの趣旨とも合致します。
新型コロナウイルスの影響により、活動方法など学校との調整を要しますが、このような状況だからこそ、子どもたちの心に芸術を通じた豊かさが育まれることを期待します。
社会のコミュニケーション・ツールの変化により、子どもたちのコミュニケーションの方法も変わってきています。チャイルドラインにおいてもこのような変化に応えていくため新たにオンラインチャットを開始すべく、本プロジェクトはその立ち上げとして、設備や規程類の整備、スタッフの教育・研修などを通じて本格運用の開始を目指しています。終了時には地域の子どもも大人も参加できるイベントで、子どもの置かれている状況などを発信します。
電話での相談事業20年という草分け的存在として活動してきた実績と、そこから体感してきた課題解決のためにオンラインチャットの実現を掲げ、必要とする子どもたちに、確実につながるツールづくりの立案が明確で、期待できる提案でした。
子どもの声を拾おうとする受け皿を増やすことは、そのための環境整備や人的配置の拡充、人材育成、広報拡大などが必要になるという、一連の計画が企画書の活動内容に手順としてしっかり示されていました。特にプライバシーに関する規程の整備や重層的な研修の実践、上がってきた声を分析して発信していくことなどのアドボカシー機能も盛り込まれていることにも注目しています。
新型コロナウイルス感染拡大によって在宅時間が長くなり、さまざまな目標や力量を発揮できる場を失った子どもたちの生活様式が大きく変化しています。この間の心理的負担も心配な現況です。大人や若者は言葉でもって外部化することや、不安を受け止められるコミュニティーを多く持ち得ますが、この計画の実現が必ずや、成長発達段階途中の子どもたちが持ち得ないセーフティーネットとなり得る可能性に期待しています。SNSや長年構築しているネットワークの力を活用して一人でも多くの子どもたちに届くことを願っています。
本プロジェクトは、親の都合で来日した外国にルーツのある小中学生を対象に、日本語の指導、学習支援、居場所の提供を行う「地球っ子教室」の充実を図るものです。利用者の増加に対応するためのスタッフの増員、外部専門家を招いた運営委員会や研修を通じて、子どもたちが日本で支障なく生活し、学校で学び、望む進路や夢をかなえるサポートを行います。
親の都合で来日した子どもたちは、日本語がよく分からないために学校生活に支障が生じ、また、それまで育った文化環境の違いによるトラブルなどを経験することが多く、孤立しがちです。
本プロジェクトは、「外国につながる子どもたちは、将来、日本の社会を支える大切な存在」との認識の下で、保護者と連携しつつ、日本語学習の機会を提供するとともに、日本の生活や習慣についての指導を行う活動です。
また本プロジェクトでは、支援者として、地域のボランティア、子育てや外国生活の経験者、日本語を専攻する大学生や国際協力を志望する高校生などが参加し、その活動内容も多岐にわたっています。
以上の点で、「すべての子どもが安全・安心で心豊かに暮らせる生活環境づくり」を応援する「第1回東急子ども応援プログラム」にふさわしい企画として期待しています。
本プロジェクトは、東京・神奈川の東急線沿線地域において、障がい児や医療的ケア児、健常児のスポーツサポートを行うために、学校や体育施設で行う「体験会」(10回程度)と、スポーツ体験と同時に両者の出会いの場を提供する「チャレンジスポーツ」イベントを実施します。また実施を支えるスタッフやサポーターらによる「ミーティング」も行い、研修や振り返りを通じて経験の蓄積と支援の質的向上を目指します。
この団体は、スポーツによる「子どもたち、社会の成長を促す豊かな体験や出会い」を創っていく中で、障がい児や健常児がスポーツによる「出来た!」や、交わすコミュニケーションによる「相手に伝わった!」という「達成感」により「自己肯定感」を高め、新しいさまざまな目標に「チャレンジする心」を育み、それとともに子どもたちや地域コミュニティーに「相手を大切に想う心」を醸成する活動を行っています。
今回のプロジェクトでは、行政や教育委員会などとの連携を深め、より多くの参加者を募りながら、地域のスポーツ団体・スポーツクラブなどへノウハウを伝え、新規プログラム開発と連携を図っていくものです。また、企業とも連携することで社会人ボランティアの参加者を募り、その関係者へも広げながら、地域ぐるみでのより大きな活動を目指しています。
障がい児のスポーツを通じた社会交流だけでなく、健常児を含めた相互コミュニケーションによる豊かな体験を通じた自己肯定感の向上だけでなく、今回の活動の周囲にいる大人の参画による輪の広がりも生まれることとなります。この輪の広がりによるさまざまな価値、考えが自然にあるダイバーシティの推進を通じて、より良い生活環境の創造につながることを期待します。
本プロジェクトは、横浜市港北区大倉山を中心に、地域の子どもと親たち双方の参加により、子どもが安心して日常的に集うことのできる居場所と地域参加のプログラムづくりに取り組みます。また活動の記録作成を行い、終了時には子ども主体による報告会も実施します。
この団体は、出会い・支え合える場所が少ない状況でも、多世代の集まりが形成されるようになり、子どもも親も気軽に、いつでも寄れ・つながりが生まれる場所となることによる地域のまちづくりの推進を目的としています。
今回のプロジェクトでは、子どもたちの主体性を育みながら自主的に地域とのネットワークにつながる意図を持つ自主企画を行いながら、関わる親も地域参加への一歩を踏み出すきっかけになることも目指しています。また、今回の活動でまとめられたものを生かし、他の拠点への展開につなげていこうとする点は、より安全・安心で心豊かに暮らせる生活環境の広がりにつながります。
新型コロナウイルスの影響により、さまざまなコミュニケーションの分断や変化が生じている中、この活動を通して、子どもたちだけでなく支える親の地域とのつながりを創出しながら、子どもたちの自主性を育むこの取り組みがさらなる広がりにつながり、より多くのつながりを生む好循環となることを期待します。
本プロジェクトは、横浜市において在宅療養する医療的ケア児や障がい児へ、子どもとして大切な「遊び」の支援を行います。医療や保育、介護スタッフが常駐する場で、子どもばかりでなく「きょうだい」も、親と共に安心して遊ぶことのできる機会を地域の中につくり出します。また発信を通じて地域との交流機会をつくり出し、社会的な理解促進につなげます。
本団体は、長年にわたって医療的ケアを必要とする子どもや障がい児の家庭を訪問し、レスパイトサービスなどを提供してきました。そこでは医療的ケアが優先され、子どもに「遊び」が不足していること、また、「きょうだい」も含めた子どもと家族が閉塞感を感じ、地域からも孤立している現状を把握してきました。
本プロジェクトは、おもちゃ作りや手品、音楽セラピーといった「遊び」を提供することを通して、当該の子どもや障がい児をはじめ、その「きょうだい」や家族への支援、そして地域の障がい児者理解も視野に入れて支援を展開していくものです。
障がい児がいる家族、とりわけ「きょうだい」にとっては、親の関心もケアも当該の障がい児に集中しがちであり、我慢が強いられる場面も多いです。医療・保育・介護スタッフの常駐の下、「きょうだい」をも支援の対象としていることが本プロジェクトの特徴です。さらに保護者同士の交流や地域交流を通して、障がい児家庭への個別的ケアからコミュニティーを巻き込んだ支援へと発展していくことが期待できます。
五十音順・敬称略(掲載内容は応募時点の情報)
子どもを取り巻く社会課題の解決を目指し、安全・安心で心豊かな生活環境をつくる活動
[活動例]
(1)子どもが安全で安心できる場を提供する活動
(2)障がいや難病とともに暮らす子どもと家族を支援する活動
(3)子どもの生きる力の向上につながる活動
(4)子どもたちの安全・安心な暮らしを支えるコミュニティーをつくる活動
(5)その他、本プログラムの趣旨に合致する活動
※このプログラムでは、活動の発展的な展開やステップアップ、新たな取り組みを重視します。
※東京都:品川区・目黒区・大田区・世田谷区・渋谷区・町田市
神奈川県:横浜市 神奈川区・西区・中区・港北区・緑区・青葉区・都筑区
川崎市 中原区・高津区・宮前区 大和市
助成期間 | 2020年7月~2021年6月(1年間)(毎年の応募・選考により最長2年までの継続助成あり) |
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助成額 | 1件あたりの助成額:50~100万円 |
応募受付期間 | 2020年2月17日(月)~3月2日(月)必着 ※2019年度応募受付(2020年募集)は終了いたしました。 |
(1)選考方法
(2)選考基準
①プログラム趣旨との適合性
子どもが安全・安心で心豊かに暮らせる生活環境づくりにつながる活動か
②子どもの視点
子どもの人権と主体性を尊重し、子どもの視点に立った活動か
③実現可能性
目的、目標と計画が具体的で、スケジュール体制・予算が適切か
④地域性
活動対象地域の課題と現状の把握に基づき、地域の関係者と連携し、地域に根差した取り組みが期待できるか
⑤継続性
助成期間終了後も継続的な活動が期待できるか
東急株式会社 社長室 政策グループ
東急子ども応援プログラム事務局
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